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民家の玄関先、青い葉っぱの間に、細長い紐の様な物がぶら下っています。皆さんは、こんなのを目にした事がありますか? 

私の郷里奈良県南域の一部では、これを自家用に栽培している農家が有ります、私が物心ついた頃から、お盆のお供え料理に使う目的でこの豆を栽培していました。 

成熟したのちこの豆鞘を干して豆を取りだしで長年に亘り種を引き継いでいます。私が聞いた記憶では、「十八豆」の名前の由来は、この紐の様な豆鞘の長さが、一尺八寸(54cm)以上あるからとの事でした。

豆を食べると言うより、豆鞘をお浸し 胡麻味噌和え 煮物として、旧盆のお供えに使うのですが、栽培していないお宅もあって、お裾分けで届けたものです。 私はインゲンマメよりも、この十八豆の方が好物で生家の畑で継続して栽培していました。

原産地はアフリカと伝わりますが、それが中国経由で日本に伝わったもので、限られた地域で細々と受け継がれたようです。 愛知・岐阜県の一部では「十六ささげ」と呼ばれ、理由は長い豆鞘の中に、16個の豆が入っているからとか、伝統郷土料理の素材として、細々と栽培されているだけなので生産量が少なく市場流通せず、たまに道の駅などの直販所で目にした事があります。

また、南九州の一部でも栽培されており、島津藩主が作成した江戸時代の農業書、1804年に出版された「成形図説」には、イラストが載っています。 沖縄の一部では「フーロ―豆」と呼ばれ、食されているようです。 たかが豆の話で長々と書きましたが、幼少時の想い出に繋がる、思い入れのある豆なのです。

 

山仲春男