引き続いて新しい手拭いとの出会いがありました。“お雛様”です。20年来のお友達で我が家の暖簾をいつも興味深く関心をもって見て下さる方があります。街を歩いていてふと手拭い屋を覗くと私のことが思い出されるそうです。そしてお雛様は吊っていなかったと思って思わず買ってしまいましたとのこと。良きありがたいお友達です。

一枚の手拭いになんとも立派な雛段飾り! 戦争で雛飾りは焼けて無くなってしまったと子供のころから毎年聞かされていた私に老齢になっていとも手軽に飾れるお雛様に出会えました。本当に嬉しい! 年齢を重ねても3月には小さな女の子にかえって昨年までは小さな立ち雛を飾っていました。今年は嬉しい楽しいひな祭り。思わず歌を口ずさんでしまいます。

“灯りをつけましょ ぼんぼりに お花を上げましょ

桃の花 五人囃子に笛太鼓“

暖簾はそっとかき分けてくぐって通ります。空気が動くのさえ感じることはありません。けれども我が家の暖簾はその動きがそよ風になり、日々季節の移り変わりを楽しみながらそよ風が輪になってお付き合いの方々のお目に留まっているようです。手ぬぐいから思いも掛けなかった大きな「おまけ」をもらっているような気持ちがしています。新しい手拭いを求めて元気に街に出て世の中の移り変わりを見ていたいと思います。

2025年2月  東 明江