お正飾りにピッタリな植物月の続編です。

10. 福寿草
元日草の別名を持つ草花
福寿草は「福」と「長寿」が名前に入っていることからもわかるように、古くから幸福を招く花として親しまれてきました。旧暦の正月に花を咲かせることから「元日草」という別名もあります。まさに正月を飾る花にふさわしい花と言えるでしょう。特にお正月飾りとしては、南天と一緒に寄せ植えとして飾られることが多いです。

福寿草の花色は黄色が一般的だけど、品種によっては赤色や緑色の花を咲かせるものもあります。

福寿草の花言葉
福寿草の花言葉は「幸せを招く」「永久の幸福」「悲しき思い出」です。「幸せを招く」「永久の幸福」は福寿草が日本では、古い昔から幸福を招く花とされてきたことに由来しています。「悲しき思い出」は、福寿草の学名「Adonis remosa」の語源であるギリシャ神話の登場人物・アドニスが由来です。 

ネガティブな花言葉の由来は悲劇の神話
アドニスは、美と愛の女神アフロディーテの寵愛を受けるほどの美少年でした。そんな彼は大の狩猟好きで、アフロディーテは彼の身を案じ、いつも狩猟を止めるようにと忠告していました。しかし、その忠告が聞き入れられることはありませんでした。そしてある日、女神が危惧したとおり、アドニスは狩猟の最中に獰猛なイノシシに殺されてしまいます。このとき、アドニスが流した血から生まれた赤い花が福寿草です。

黄色い花が一般的な福寿草が「赤い花」と表現されているのは、昔の西洋の福寿草は赤い花色が主流だったからと言われています。

実際西洋に咲く福寿草の仲間には、赤い花を咲かせる品種があるよ。それと、アドニスの血から咲いたのは福寿草じゃなくてアネモネだとする説もあるんだ。

福寿草の花言葉まとめ
ポジティブな意味の花言葉:「幸せを招く」「永久の幸福」

  • ネガティブな意味の花言葉:「悲しき思い出」

11.  水仙

雪中花の別名を持つ正月花
水仙は12月~2月という、もっとも寒さの厳しい時期に開花することから「雪中花」という別名があります。美しく、よい香りをただよわせる花も、春の訪れを告げる花にふさわしいでしょう。ヨーロッパでも水仙は厳冬の中、けなげに咲くことから縁起物とされていました。

水仙の花言葉
水仙全般の花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」です。種類別・色別の花言葉として、黄色い水仙の「もう一度愛して欲しい」「私のもとへ帰って」、白い水仙の「尊敬」「神秘」、ラッパ水仙の「尊敬」「報われぬ恋」、口紅水仙の「素敵な装い」があります。縁起物の花のわりにネガティブな意味の花言葉が多いのは、水仙にまつわるギリシャ神話の逸話が原因だと言われています。 

自分に恋した美少年の悲劇
その昔、ナルキッソスという絶世の美少年がいました。その美貌から多くの人に想いを寄せられましたが、彼は誰の想いにもこたえませんでした。そのため彼にふられた妖精が悲しみのあまり姿を失い、木霊となるなどといった悲劇が起こってしまいます。これに激怒した義憤の女神ネメシスは、ナルキッソスに呪いをかけます。その結果、泉の水面に映った自分の姿に恋した彼は、泉から離れられずに衰弱して命を落としてしまいました。

ナルキッソスの死後、泉のそばに咲いたのが水仙の花です。自己陶酔者のことを「ナルシスト」と呼ぶのも、この神話が由来とされています。ナルキッソスの最期については、水面に映る自分に口づけしようとして、泉に落ちて水死したという説もあるよ。

水仙の花言葉まとめ
全般の花言葉:「うぬぼれ」「自己愛」
・黄色い水仙の花言葉:「もう一度愛して欲しい」「私のもとへ帰って」
・白い水仙の花言葉:「尊敬」「神秘」
・ラッパ水仙の花言葉:「尊敬」「報われぬ恋」
・口紅水仙の花言葉:「素敵な装い」

12.  ユリ

豪華さと芳香が人気
独特の形状をした豪華な花と、甘い芳香で抜群の存在感を持つユリは、フラワーアレンジメントなどでよく利用されています。ユリの本来の開花時期は5月~8月ですが、近年ではほぼ1年中生花が手に入るため、お正月飾りにも利用されることが増えました。ユリ全般と色別の花言葉
ユリ全般の花言葉は「純粋」「無垢」です。色別の花言葉は、白いユリには「純潔」「威厳」、オレンジのユリには「華麗」「愉快」「軽率」、赤いユリとピンクのユリには「虚栄心」、黄色いユリには「陽気」「偽り」という言葉がついています。